UTokyo bicycle racing team

ツール・ド・北海道2013 レースレポート(※無駄に長いです、ご注意ください)
第1ステージ: 145km DNF
OBを始めとする多くの方々の協力の上でスタートラインにたつことができた今回のレース。完走はできずとも今後に生きる経験を得ることを目標にしたが、合宿からトラブル続きで思うように練習ができず、果たして出場して何かを得て帰ってくることはできるのか、それすら不安になったが、ここまで来た以上全力で戦い抜くしかない。
過去の練習日記を見て、集団内の位置取りなどを工夫して脚を温存することと、ダウンヒルで集中を切らさないことを心がける。
ローラーで軽くアップし、いよいよスタート。最初はパレードだが周りはトッププロばかりで怖じ気ずく。落車に巻き込まれない&巻き込まないように慎重に位置取り。
ローリング解除後すぐ緩やかな登りに入るが、ペースが地味に高くてきつい。ちらっとメーターをみるとまだ開始6kmで、集団がこのペースのままだったら完走無理じゃん・・と絶望したが登りきった後は緩んで助かった。
その後はペースの緩いうちに外側から回ってポジションをあげておく。常にポジションを上げる意識を持っていないと割り込まれてずるずる後ろに下がってしまうので、こまめに。また下りは最初慎重になりすぎてズバズバ抜かされポジションを下げてしまったので、勇気を振り絞りノーブレーキで前の人にピッタリつく。集団も最初とあって下りは慎重なので安全についていけるとわかってからは安心できた。
こんな感じでレース中に随時走りを修正しつつメイン集団についていく。ただ登りでインナーに落とし忘れてアウターのまま登ったりで、脚を地味に削ってしまったかなというのが反省点。
そしていよいよチセヌプリへ。最初はサイクリングペースだったが、すぐアタックがかかり、集団も容認せず追走をかけたため一気にペースがあがり、これに堪えかねて一瞬で千切れてしまう。まだ40kmも走ってないのにメイン集団から離れてしまった・・と焦っていると監督と小峰さんののったチームカーが追いついてきて、後ろにまだ5人くらいいるからグルペットをつくってペースで登れ、まだ諦めないで頑張れといわれたので落ち着いてペースで登っていると、調子が悪く遅れていたというシマノの入部さんが追いついてきたのでこれに合流、降ってくる選手(順天、日大、シエルヴォ、ベルマーレあたり)を吸収しながら入部さんの先頭固定でペースで登っていく。結局頂上まで入部プロが牽き続け、この時点でメインと5分差。下りはローテを回してガンガン踏んでいったが、ここでグルペットが若干ばらけて5人ほどに減ってしまう。自分はチセヌプリの下りは試走してたのがだいぶアドバンテージになってちぎれることはなかった。試走しておいてほんとに良かったと走りながら思った。

チセヌプリの下りまで数人でまとまってこなせたところまでは良かったが、直後の登り返しでこの日最大のミスを犯す。メインとのタイム差をこれ以上広げるわけにいかないという焦りから登りでペースを上げすぎて、気づいたときには後ろが入部さんだけになってしまったのだ・・。経験不足からグルペットでは登りはペースを抑えて平地・下りで踏んで集団の利を活かすという基本さえわかっていなかったのがここで仇となった。

しかしもはや仕方がないので2人で協調して回していったが、20kmほど回したところで入部さんが千切れてとうとう1人になってしまった。このまま1人じゃあっという間に20分差ついて足切りになる!と焦ったがしばらくITTしていたら路肩にチームカーがとまっていて、浦山形さん水田さんを含むグルペットが前方にいるとの情報をくれた。ちょうど現れた85km補給地点でサコッシュを受け取った後(1回目スピードを落としきらずにとろうとしてひもが千切れてしまったので焦ったが、2回目でとれたのでよかった)、がんばって追いつき、東大4人順天1人ベルギーチーム1人のグルペットで回していく。足切り寸前から一転、完走を目指しひた走る。

序盤から積極的にPowerGelやスポドリを摂取し脱水や脚攣りの予防をしてはいたのだが、100kmあたりでとうとう左足がつって動かなくなる。この間にグルペットと離れてしまったが、ペースを少し落としてもらって死ぬ気で踏み、なんとか追いつく。ここは本気でつらかったがOBの方、サポート、さらに僕に北海道を譲ってくれた先輩のことを考えたら頑張ることができた。
その後も攣りそうな脚と戦いながら付き位置で走り、ローテに入れるぐらいに回復するのを待とうと考えていたのだが、126km地点の登りで前と離れてしまう。ここで千切れたら絶対完走できないだろ、死ぬ気で踏めよ!と自分を鼓舞しても、もはや脚は回らず前との差は広がるばかり・・そしてとうとう千切れてしまった。
そこからはITTしながら、後ろから新しいグルペットが現れないかと期待したが、その期待も空しく20kmほど走った後145km地点でついに赤旗
終わった直後は、事前の練習であまり乗り込めなかったわりにここまでよく走れたな、と思ったが、それは裏を返せばちゃんと乗り込んでいれば完走する可能性があったということである。ほんとにもったいない・・。
OBの方々は「あそこまでよくがんばった」と褒めてくださったし、入部さんには「下りは遅いが登りと平地はそこそこ」というようなお墨付き?をいただき、とても嬉しかったが、やはりこのステージさえ完走していれば他のステージも完走はほぼ確定というこの山場のステージを乗り越えられなかったのは、悔しい・・。
今回完走できなかった理由としてはやはり直前の乗り込みが足りなかったこと、登りでアウター使ったり下りでブレーキかけたりして脚を温存しきれなかったこと、グルペットの崩壊を招いてしまい2人で長距離回したことで脚を使いすぎてしまったことなどが考えられるが、やはり山岳ステージ180kmを走りきる実力がまだまだ足りなかった、と思う。あとは今まで走った最長のレースが60kmで、長距離レース、特に途中で補給があるものが初めてだったという経験不足というところもあったかもしれない。
今回のツールド北海道を終えた後の1番の感想は、「強くなって来年リベンジしたい」です。秋からはロング練メニューを普段から組み込んで長距離耐性をつけ、またピストも積極的に乗って今の僕に最も足りないと小峰さんに指摘された”スピード”をつけ、来年のTTT、個人ロードでベストを尽くし、来年ここに戻って、今度こそ絶対に最終ステージのゴールまでたどり着きたい。
今回の遠征費を寄付してくださったOBの方々、タイヤにボトル、サコッシュまで提供してくださった日直商会様には感謝してもしきれません。おかげさまでとても身になる経験をつむことができました。どうもありがとうございます。
また当日応援にかけつけてくださったOBの方々、サポートにきてくださった中村さん・中野、寄付金集めに協力してくれたマネージャー2人、自転車をこれ以上ないくらい完璧に整備しレース中もチームカーから応援・サポートしてくださったなるしまフレンドの小峰さん、予備クリートを貸してくださった谷さん、北海道の出場枠を譲ってくださった上に代輪をかしてくださった荒牧さん・鳥居さん、監督その他この北海道という素晴らしい舞台にたたせてくださった方々、どうもありがとうございました。すべての方々の支援なくして、自転車を始めて1年の僕が自分より強いと思われる選手たちが次々に脱落していく中ここまでの距離を走ることはなかったと思います。本当にありがとうございます。
10月からは専門課程に入るので忙しくなるが、なるべく実走する時間をつくっていき、それでも時間がないときはパワートレーニング等を活かして効率的に練習して、来年のTTT・個人ロードで最高の結果を残せるよう頑張ります。これからも応援よろしくお願いします。