UTokyo bicycle racing team

ツールド北海道2015 完走(66位)
完走を目標として臨んだが、正直可能性は低いかと思っていただけに、完走することができてとても嬉しかった。多くの方々に褒められ、こんなに嬉しいのは初めてかもしれない。
1st Stage
翌日の十勝岳ほどの難所はないので、このステージだけはなんとか完走したいと思って臨んだ。序盤早々に逃げが決まったようで、ペースがかなり緩む。こんなにも緩むのかと驚いた。レース前は最初のタカス峠から千切れるんじゃないか、などと心配していたがゆっくりだったので全く問題なかった。その後少しのペースアップはあるものの大したことはなく、心配していた二つのKOMもそんなにペースが上がらず、きつかったものの比較的余裕をもってクリアすることができた。
集団のペースが一気に上がったのは二つ目のKOMの後の下り基調の平地区間から。集団は2列から1列の棒状になり、必死でくらいついていく。更に、下りきった後くらいからのコーナーが連続する区間ではクリテのような立ち上がりで、きつい。ひいひい言っている間に登りが現れ、集団からちぎれてしまう。しかしここで、ある程度の人数がちぎれ、その中には林、そして浦の姿もあったので一安心。雰囲気的に完走行きのグルペットだったが、ここから千切れたらどうなるか分からないとも思い、必死でついていく。グルペットの中では自分が一番にきついくらいのようで、登り区間では本当に必死だった。なんとかゴールまでついていくことができ、完走を果たした。ゴール後は疲れてぶっ倒れた。
この日は逃げが早々に決まってペースが落ち着き、完走が見える終盤になってから集団のペースがあがるという展開だったので、自分の完走は展開に恵まれたのかなというふうにも思われた。一方で、登り区間では意外と自分と同じくらいの力の選手も多いということを感じ、2nd Stageの完走が見えてきたようにも思った。クリテ区間で集団の後ろの方にいたのはミスだったかとも思ったが、林によると前の方に位置取るのは難しく結構足を使ったようなので、仕方なかったと思われる。
2nd Stage
最初の35kmほどはアップダウンコースでコーナーも多いこと、なかなか逃げが決まらなかったことから速いペースでレースが進行した。きつかったがポジションを時々前にあげつつ、頑張ってついていった。下りでポジションを上げて集団の先頭まで行く場面もあった。その後はまたしても一気にペースが緩む。心配していた横風はなく、また、千切れる可能性があると考えていた十勝岳前の登りもゆっくりとしたペースで進んだ。補給区間の少し前でペースが上がったが、緩いペースのうちに前の方に位置取れていたので余裕をもってこなせた。
補給区間のあと、一気にペースが上がる。頑張ってついていく中、少し前で中切れが生じる。この時はまだ少し余裕もあったことで中切れするなよ、と思って他の学連選手と前を追う感じになるが、そのペースも上がらない。一人で前に一気に追いつこうとやってみるかとも一瞬思ったが、周りの学連選手は自分より強い選手ばかりで彼らが追わないのだから、と自重した。ここでオールアウトしてはいけない場面だったし、ちょうどこのグルペットのペースがきついながらもオールアウトせずについていけるくらいのペースで十勝岳を登り切ったので、良い判断だったと思う。
昨日と同様、これは完走行きのグルペットだろう、しかし遅れたらもう駄目かもしれないということで必死でついていくことに。十勝岳下り途中の登り返しが辛い。そしてその後の下りで中切れがおきてそれを埋めるためのローテーションにも加わったために足を少し使った状態で次の登りへ突入し、本当にきつかった。完走するぞ、したら俺は凄いぞ、となんとか自分を奮い立たせ、ちぎれそうになってはダンシングでなんとか追いつくということを数回繰り返した。最後のKOMもきつかったがこれを登り切れば完走だと思い頑張った。ゴールの少し前の登りもなんとかついていくことができ、そのグルペットでゴールできた。本当に嬉しかった。
この日も結果的に見れば、中切れが起きて自動的にグルペットが形成されたことで完走がしやすくなったという展開に恵まれたもののようにも思われた。しかし一方で十勝岳では浦より強かったようにも思われたし、多くの実業団選手や学連の強豪選手のグルペットに入ることができ、途中中切れを埋めたりするなどもしたことで、登りに関しては完全に自信がついた。ただ、Stage3は長い登りのないステージ。当初は一番完走しやすいステージと思っていたが、長い登りがないゆえにグルペットがうまいこと形成されなさそうであり、Stage1の平坦区間がめちゃくちゃきつかった自分にとっては厳しいステージになるとも思われた。
3rd Stage
いかにも厳しそうな昨日のステージを完走したのだから今日だって行けるとポジティブな気持ちで臨んだ。最初のKOMでアタックがかかったらしくペースが上がり、数十人単位で千切れていったが、自分はメインでクリア。千切れてもいいとは思ったが、それなりに余裕もあったのでここは行くっしょとついていった。これもまた自信になった。その後はペースがかなり緩む。おかげで、レインウェアをチームカーから受け取ることができた。
下りきってからしばらくすると、ペースアップが始まる。2列から1列の棒状が続く展開。2日間の経験を踏まえ、特に70km地点くらいからのクリテのような区間ではペースが上がることを予期していたので集団の前の方に位置取ろうとしたが、列の中に入ることができず、結局チームメイトのいる最後尾近くまで戻ることになった。立ち上がり等を利用して下がっていったのでそこまで無駄足ではなかったと思う。その後もずっと集団が棒状となる展開。後ろの方はペース変動の影響を受けやすいので前に上がりたいところだったが、この日は前2日以上にチームごとに固まっている傾向が強く、ずっと最後尾付近にいることしかできず、非常にきつかった。下りも勾配が緩いために全然休めなかった。とにかく、ここでちぎれたら完走できないと思ったので、必死で自分を心の中で褒め称えながらついていった。
そして、終始休むことができないままに、最後のKOMの登りに入る。KOM残り1kmの看板が見え、これを登り切れば完走できる、と思うも余力がなく登り切る前に千切れてしまう。自分より先に千切れた数人の選手同様に、その後の下りなどを利用して集団復帰を試みようとするも、落車。チームカーが来たので代車に替え、ゴールへ向かう。冷静さが足りず、途中でまた落車してしまうが、完走できそうなことが分かってきて落ち着きを取り戻し、最後は林と同じグルペットに合流してゴールした。モエレ沼公園が見えて林と目を合わせたときには嬉しくて思わず奇声が出るほどだった。ゴールラインを通過した瞬間もまた格別の嬉しさだった。本当に嬉しかった。


東京大学チームとしても浦と林と自分の3人が完走することができ、チーム史上最高の結果となり、本当によかったです。このような素晴らしい結果が残せたのも、サポートしてくれた人たちがいたからだと心から思っています。準備の段階から、そして期間中は本当に大変だったと思いますが、選手が必要としていることを何でもやってくれた、植田、谷さん、和泉、それから2日目のレース後からサポートに回ってくれた秋山、貫名ありがとうございました。おかげさまで食う、寝る、レースをするのみという生活ができ、レースで最大限の力を発揮できたと思います。三宅監督、チームカーの運転と迅速な対応、アドバイスや自信を持たせてくれるような言葉、本当にありがとうございました。また、北海道まで駆けつけて力強い応援をしてくださったOBの方々、さらに、今回の出場にあたってご寄付をいただいたOBの方々、本当にありがとうございました。power gelをご提供いただきましたpower bar社様、michelin pro4やボトルなどをご提供いただいております日直商会様にも感謝致します。