UTokyo bicycle racing team

6/4 全日本学生選手権TTT 優勝!!

 

勝ってしまった…

 

思えば2月から始まっていたこの計画。縁あって金子さんから中古のTTバイクを買ったのが2月頭。受け取りついでに一緒に練習したときに、TTTに興味があるという話を聞いた。もちろんこちらとしては願ってもない話で喜んで参戦していただくことにしたが、中央大に勝ちたいと言われたときは、うちは3,4人目の脚が揃わないので流石に厳しいだろうと思った。

2月末には正式に参戦してもらうことになったが、3月は僕がロング練ばかりしていたり他部員の予定が合わなかったりして、結局初めての合わせ練習は春休みの終わり頃になった。そのときは本当にひどくて、先頭300Wの2人ローテでも後ろはすぐちぎれるし、本番っぽい強度だと2分ももたない。これ3人目に合わせて金子さんがゆっくりITTするだけになるのでは?という感じ。絶望的。

伝統の平日朝練を始めたのはまた飛んで4/26。ここから火曜と木曜の朝練が恒例となる。最初はやはり即崩壊だったが、機材やポジションの改善と3,4人目を守るための強度抑えめローテで走り方がうまくなり、徐々にちぎれないようになってきた。LT測定を経て2人の配分と先頭強度も定まってきて、5/19には本番強度で20km×2を達成。僕自身もTTポジションで高強度(L5上限あたり)を出すのに慣れてきて80分回し切れる気がしてくる。翌週5/26には本番強度30kmを危なげなく達成。余裕があれば3,4人目もローテに入れようかというところまで来た。

本番の週は無理して美山に行ったせいでレポートと試験に追われて練習はできず。しかし最後まで崩壊せず配分を守り切る自信は得たので不安はない。

 

レポートに目を回していると気づけばレース当日。直接交流のあるOBのうちほとんどと言っていいほど多くの方が来てくれて万全のサポート体制。直前の呼びかけになってしまった方もいましたが、来てくださって本当に助かりました。

皆に手伝ってもらいながら慌ただしく機材の準備を終えて試走へ。練習では使っていなかったスピードスーツと前輪86mmが解放され、めちゃくちゃスピードが出る。指定出力を守り切れれば表彰台も現実的なくらいのペースで走れそう。復路で本番強度で最終合わせ。調子は良さそう。

 

全身水浸しにしてもらいながらスタートへ。これでも寒くないくらいには暑かった。

配分は金子さん2分、篠﨑1分をベースとして2往復目は余力があれば少し伸ばす。終盤にどちらかが厳しくなったときに長坂に余裕があれば入ってもらう。

 

焦らないように気をつけながらスタート。金子さんの持病?のため1ローテ分は気持ち低めで入る。という話だったが今見たら1回目から普通に指定出力+15Wだった。まあ金子さんのパワーが高すぎなければいいので大丈夫か。

1往復目往路。焦っていたわけではなく、スピードを維持しながら無理のない範囲で踏んでいたら想定よりも少しパワーが出てしまうので特に抑えることはしなかった。サイコンが見づらいのでパワーと速度が低すぎないことを時折確認しつつ、2分で回復できる範囲で踏んでいく。快調に予定通りの配分をこなして、1分前の関西をとらえつつ折り返し。依田さんから6位との情報。かなりいいペースだと思っていたが意外と他も速い!と思いきや折り返してすぐのところにいた立哨の坂野さんから4位と聞く。お、これはいいぞ。何せうちは前半抑えている。

1往復目復路。折り返してすぐに関西を抜きにかかる。ここの抜き方がよくなかった。データに露骨には現れていなかったが、抜く途中に交代ができないのと速く抜こうとしてしまったので少しダメージが入る。直後に立命館を抜くときも同じことをやってしまい少しきつい。けど僕の牽引時間=金子さんのレスト時間なので減らすわけにもいかずなんとか55秒くらいで食い止める。パワーは依然として指定+10~20Wほどで、配分も概ね2分/1分をキープ。すれ違う日大の3人目が切れかけているのを見てしめしめ。1往復完了時にちょうど慶應に追いつくが、折り返し直前だというのに金子さんがぐいぐい割り込んでいくなあと思ったら折り返し地点を勘違いしていたらしく数十メートル奥のコーンのところまで行ってしまう。呼び止めたけど時すでに遅し。結局金子さんが復帰するまで1分近く流し。流していたつもりだったが後で見ると40km/h近く出ていたしタイムロスはそれほどないか。ここでボトルを取って給水&水浴び。長坂に余裕があることも確認。さらに折り返し前後で1分以上休んだことで脚も一気に回復した。さらにさらに、スタート地点通過時に監督から暫定1位と知らされる。これは驚きだった。1往復目はイーブンペースのはずなんだけど…

2往復目往路。焦りは禁物とはいえ流石に焦る。前述の通り折り返しで休めたのと追い風で体感少し楽なのもあり、予定通りリミッター解除して75秒~90秒に配分を増やし平均速度53キロ超えの爆速で進む。中盤で崩壊している中央大とすれ違う!これは…。
とここまで順調かと思われたが、折り返し地点直前で後ろからキツい!との声が。さっきまで余裕あります!と元気そうだった長坂がこの世の終わりみたいな顔でちぎれかけてた。追い風区間なのに後ろを気にせずぶん回してしまっていた。2人しか回らないこのスタイルでは折り返し以外で後ろの様子が全くわからない。危うく崩壊するところだったのかもしれない。折り返しまでよく頑張ってくれた。しかしここからは向かい風区間なのであと少し耐えてもらう。

2往復目復路。ラストスパート。依田さんと坂野さんから余裕を持って1位であることは伝わっている。(金子さんはトップタイムだと知らなかったらしい。もっとコミュニケーションとればよかった。)このあたりでサイコンの時間表示が~min~sから~h~minに切り替わってしまい時間が測れなくなる。仕方ないので100~110回転数えて交代する。流石にかなりきつくなってくる。向かい風で速度の維持がぎりぎりになってきて、金子さんにキツいと伝えると「じゃあ俺3分引くわー」と余裕の返答。頼もしすぎる…。流石に3分も休むと回復するので1分以上の牽引時間は維持できた。さっきので一気に後ろが信用できなくなったのでちらちら後ろを見るがしっかりとへばりついている。1分15秒-2分30秒とすると5回で終わるので最後の片道は一瞬で終わり、残り500mから前に出て全力プッシュ。フィニッシュの瞬間サポート陣の歓声が聞こえて勝利を確信。

 

ゆういちさんより。みんな空力よさそう。

パワーも77分NP304Wと崩壊のリスクが高い中では攻められたのではないでしょうか。限界でぶっ倒れるという感じではなかったしなんなら金子さんはまだまだ余裕そうだったけど、長坂は死にかけてたので今年のチームとしてはほぼ最速を刻めたと思う。実際中央がきっちり回し切れていたら負けてたと思うけど、ここは柿木さんの解析と早朝練習を繰り返して走り方と配分を煮詰めた我々の勝利ということだ。しかしこの結果は想像以上だった。

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6/5 全日本学生選手権ITT 8位入賞

ゆういちさんより。頭をもう少し下げたい。

朝起きたら前夜に増して身体バキバキ。踏めない感じの疲れ方ではないけど。

目標は練習のときの速度+本番機材分+本番パワー分で平均46km/h。このコースだとだいたい41分を切るのが目安になる。去年41分を切ったのは5人しかいないので、これを達成すれば入賞もほぼ確実。強いのは留目、かみたい、伊澤くんあたりか。(順当にこの3人が表彰台だった。)

なんとなく速い人は後の出走だと思い込んでいたが、逆で速い順だったので男子14番手の10時13分出走。時間に余裕はないんだけど疲れているせいかなかなかスイッチが入らない。ただでさえアップは嫌いなので、アップは10時前くらいから下流側をちょろっと走るだけになってしまった。よくないけど、入念なアップが必要なタイプでもないし、走り出せばスイッチ入るだろうという感じ。

前日と同様に往路が追い風、復路が向かい風だが、風はそこまで強くない。そこまで暑くはなかったので軽く水をかけてスタート。パワーが300〜320Wくらいに収まっていることを確認しつつ坦々と進む。スタート前の感覚とは打って変わってかなり暑く、折り返し手前で仕方なく薄めのポカリを全身にかける。折り返し地点で19分40秒くらい。悪くないけどすごくいいわけでもない。

そして残り15km通過時点で時計は21分手前。つまり平均45km/hで走れば41分は切れる。ここからは45km/hを切らないことだけを目標に走る。向かい風で踏み負けそうになるが、自転車振って引き脚使ってぎりぎり耐え切ってフィニッシュ。40分50秒。

41分を目標にしたのが逆にリミッターになった感があるが、順位には満足。一応選手権大会初入賞です。しかも留目以外とはそこまで大きい差ではない。今回往路300W復路310Wくらいだったが、実は伊澤くんとかみたいよりパワーは高かったらしい…。機材とフォームをもう一段階詰めて少しパワーが上がれば表彰台取れるはず。来年に期待。

 

 

2日間サポートしてくれた部員とOBの皆様、練習時のデータの解析をしていただいた柿木さん、ありがとうございました。サポート体制はうちがダントツでした。そしてこのような機会を与えてくれた金子さん、ありがとうございました。

 

 

今回TTTで予想外の優勝を果たしたために北海道の推薦順位が暫定5位という…。個人ロードで奇跡が起これば可能性は残されている。頑張らねば。