UTokyo bicycle racing team

タイムトライアル2連戦が終わりました。燃えて燃えて灰になった・・・
TTTで過去最高順位の2位入賞、ITTで僕自身の2連覇とチームとして最高の形でレースを終えることができました。
これだけチームにいるとこんなにいいこともあるものだ。
TTTは個人のときよりずっと素直に快楽物質が脳内にまわる

選手・立哨役員・サポート等超大規模選手団となった今回、岩崎さんや高木さんの協力なくしてはまず出場できませんでした。お忙しいところ本当にありがとうございます。そして監督、一年生のサポートチームにも本当に感謝です。

両日ともに雨予報が出ていましたがもののみごとに外れてかんかん照りで、暑さとの戦いとなる。

土曜の朝は早めにうちをでて、部室で先にコメットやバトン、コスミックの最終点検をしてみなを待つ。じきにみんな集まり順調に準備を進めて加須へ。東北道をさくさくと通過して現地へ。ほとんど菖蒲町へのみちのりと変わらないか。現地の雰囲気は荒川そのままだったのでそれほど違和感なく走れそうだった。試走前後で安井がディレイラーがおかしいといってずっと直せずにいじっているのに若干おいおい、と思うが最後に調整してやると一発で直る。小手先でいじらずに基本にのっとって調整はしましょう。基本的な調整をしてなおらない異常はプロしか直せません。試走に出かける。少しエルゴがよくずれる関係で少しポジションがずれてしまっていることを確認し、帰ったら修正しようと思いながら4人で奥の方へ向かう。そこで安井がパンク。貴重なディスクが一枚なくなってしまうが、TTTで4人だし、EC90も使えるということで気をとりなおして指示を飛ばし、試走を続行。安井も順調に立哨からホイールを受け取って試走を続行できた。折り返しだけ何度か確認する。その後は実際のペースマイナス一割ぐらいでまわして感じを確認しながら帰る。試走開始がコース安全確認が遅れたために遅かったので、帰るとスタート時刻はそれほど遠くなかった。おまけにバイクインスペクションの開始と段取りが悪く、インスペクション後すぐにスタートという若干意味のわからない事態になっていた。困ったね。

まあそんなことをいっても始まらないので、ハンドル周りの再調整をすませ、トップチューブにつけようとしていた補給が足に当たるのが煩わしいのをハンドルバーに移し、シューズカバーその他を徹底的にチェックした上でスタートラインへ。最後に水をかぶる。これがなかったら走りきれなかったかも。
少し気分がみな浮き足立っているのを感じたので、スタート前にリラックスするように話しかける。集中力をとぎすまし、いざスタート。
少なくとも1周は完全に予定通りにことが進む。実をいうと少しアクセルを踏み込み気味だったのだが、その時は耐えられそうに思った。最初の折り返し時点で明治がそれなりに飛ばしているように思えた。鹿屋と中央は想定内。それほどぶっとんだ踏み込みではない。
淡々と進んで次の折り返しに入ったところでパンク!と報告が。人を確認すると三谷さんである。一応チーム内では最も優先順位が低い。3秒考えて切っていくことにした。後日談としてはこれはかなり微妙だった。UCIレースみたいにピットが即座にすむような環境だったら前輪だったし間違いなく待ったほうがよかったと思われる。しかしこの環境ではピットが大幅に手間取ることも予想された。いずれにせよこういうときは迷わないことが大事だと思われる。
すぐに先頭の出力を抑えるように方針を変えてローテーション間隔も気持ち10秒ぐらいずつ削る。それでも自分はできるだけもとの配分で引けるようにがんばる。自分はギリギリの線をしっかり見極め、攻められる自信はあった。峠と安井がその線を踏み越えてしまうことが怖かった。これから失敗ができない。
苦しい状況だが2周目はそれほど落とさずに進むことができた。しかしかなり無理をしているという感触が増してきて、しかも、峠が弱ってきた。安井は結構余裕そうだが(表情においては)引く配分の意思表示からするとそうでもないらしい。この辺から方針を変えようか考える。周回通過時点で4-5thだったので先頭出力をもう少し落とせば安全にゴールまでたどり着ける。北海道は国立枠もあるのでそれなりの順位をとればかたい。
だが宮崎が示した「現在3rd」の看板が全てを変える。一挙にテンションが上がり、攻め抜くことを決意する。それに安井の個人戦の力を思い起こせば何とかなる気がしてきた。ペースを保つのは何とか僕がやって、安井になんとか休み時間をつくってもらってつなぐことにする。鹿屋についに追いつかれ、抜かれたがそれほど簡単に離れずしばらくペースメーカーにできるぐらいであった。ここらから熱射病でかなりの頭痛と視野が狭まる。峠が死なないように注意を払うがちゃんと自主的に防衛している。
最後折り返してからはTour of Japan富士山アゲイン・・・。ああ、失神するわ
前で一人鹿屋が転がっている。はすったか。よけて通過できた。視野が狭い(後で確認したところ山本選手がほんとに失神していたらしい)
1kmで最後に立ってさっさと楽になりたいがために発狂しかけながら踏み込むが安井がきつい!と叫ぶのに我に返って後ろを引っ張る。で、ゴール。マジできつかった。競技人生でも指折りだな。

最後に日大を逆転して2位という大金星をあげることができました。終わった後に、もうこいつらは俺がいなくても大丈夫だ、となんかほっとしてしまいました。後輩たちよ、君らならできるぞ。翌日もTTやるのが信じられませんでしたが、どうにか家に帰り着き、パスタを食ったら前後不覚。

二日目はいたっていつも通りでした。チームTTと違って周りをまとめるとかそういうことは考えなくてもいいので気が楽。自分との対話を行うのみ。お久しぶりの高木さんプリウスで再び加須へ。
ほとんど14時出走ということでなにもすることがなく、色々な人と話したりとか。一年生たちが果敢に初試合に挑むのを見送る。

その後暑くなってくると未来館で休憩しながら克之さん一家や孝幸さんたちとお話。
昼食をとって13時ごろに準備を始める。さすがに気分が引き締まるね。
伊藤選手と吉田選手がかなり気合いが入っていることが伝わってくる。木守ともお互いにやったるぜ!というオーラを出しながらウォームアップ。要するにいつも通りのことをするしかない。暑いので水分補給に気を使う。
スタートラインへ。よく頭が集中できて身体に感覚が行き渡っていることを感じた。
スタート直後から「リラックスしながら力を入れる」の極意を実践。気がはやって少しオーバーになりがちだったので、気をつけながら抑える。28分ちょっとというタイムを破れといわれたので、気持ち的にはそれに合わせた。
行きの折り返し付近で伊藤選手に結構近づいているのが確認できたので帰りは彼を視界に入れて目標とすればいいタイムがでるはず、と思いながら折り返し。14分10秒ぐらいで少し遅れている感があったので本格的に踏み込み始める。ギヤをかけて前を追走。ちらちらと見えるがなかなか簡単には縮まらない。3/4を超えて28分に向けてカウントダウンを始める。最近かなり正確に頭で秒数を数えられるようになったので(1分数えて誤差が5秒以内ぐらい)メーターもほとんど見ずに時間を数える。
3kmからが長く感じられたが、今しかないと思って踏みまくる。1kmから使ってなかった筋肉でラストブーストして、かなり伊藤選手に詰め寄り、ゴールした。ちらっと見たときには27分55で28分は切ったようだ。
完全に自転車の上で死にながらゴール後流し、木守と話しながらチームテントに戻ってくるとみんな押し黙ってちらっと視線を送ってくる。ああ、これはやってしまった2位か3位だ!と思って監督にきくと優勝とのこと。大田さんに異生物扱いされ、峠にはメカニカルドーピング疑惑をかけられました(笑)

ひとまず無事に終わって一安心。重ね重ね応援してくださった皆様に感謝申し上げます