UTokyo bicycle racing team

安井雅彦のTOJ戦記。書かせていただきます。
TOJ・ツアーオブジャパンというレースは海外チームの参加も多く、国内最高峰のレースだといって間違いない。このレースに学連選抜の一員として参加でき、走りきることができたのは僕の財産になりました。
/////////////////////////////
Tour of Japan 2012 5/20-5/27 576km
総合 39位 完走
/////////////////////////////

/// 5/19(土) ///
朝早くに集合した関東メンバー(三宅監督、マッサ―安田さん、メカ麦倉くん、安井、中央山本、早稲田大中)は、一路大阪へ。(ここで皆は、チームカーの運転をお任せする三宅監督のドライヴィングテクニックの高さを確認することになる)
大阪現地集合の鹿屋山本・黒枝、京産木村とも合流し、顔合わせという感じ。明日の大阪堺ステージは3kmもない個人TTということでリラックスムード。
しかし、問題は個人TTと同じコースで行われるTOJの前座・エキシビションレース、堺国際クリテリウムの方。昼過ぎに皆でコースの下見に行ったところ、そのテクニカルさと電柱のせり出し具合に恐怖を覚える。道も狭い。
ビビりながらもその夜は京都産業大学、秋田監督の「目立つべし」との命により、士気を高めて床に就く。
/// 5/20(日) ///
いよいよ始まる。
まずはクリテ。気合を入れて臨んだものの、ペダルがうまくはまらず後ろ目スタート。一度前に上がったが、これはまだTOJが開幕もしていないのにリスクを冒すのはいけない、身体が第一、ということできれいな身体のままチームピットに帰りつくことを目標に。後ろの方で展開してゴール。プロの試合ほどコーナーの立ち上がりでの渋滞が少なくて走りやすい。ともかく無事完走。これ大事です。
さていよいよ個人TT。TOJ開幕。
一番手の木村の話によるとやはり最初に突っ込みすぎるのはNGとのこと。コーナーは意外と攻められると。
いつものソリアくらいの出力を心がけて。コーナーも自分としてはまあまあのラインで抜けることができたように思う。とりあえずまともなタイムでゴールでき一安心。でも欲を言えばもう1,2秒ほしかったところ。ちなみに2年前出場した某N薗先輩の当時のタイムには勝ちました。
/// 5/21(月) ///
さあ、いくぞ!となったところでいきなりの移動日。
奈良ステージが無くなったことでこの日が移動&休息日に。ということで岐阜へ。明日の美濃ステージは平坦なので軽く2周ほどこなして脚を回した。
/// 5/22(火) ///
本格的なロードレース・ステージレースの開幕。岐阜・美濃ステージ。
この日は平坦基調(ゴール前にやや急な登り一本あり)の20km程のコース7周なので集団ゴール&スプリントが予想されるのでチームのオーダーは黒枝に。
とにかくまあ集団で走るというのがこの日でした。たまに起こる落車のニオイをかぎ分けそれを避け、登りでの中切れに注意する。集団の中で走ることに慣れていることがとても大切だった。
勝負どころとすれば最終周、最後の登り。ここで自然とペースが上がったので中切れに注意して前に上がっておいてよかった。先頭とタイム差なしでゴール。ここで黒枝はスプリント13位に入る活躍。
/// 5/23(水) ///
ここで信州・飯田ステージ。柿木コーチの言うとおり、ここのコースは凶悪だった。
まず1周目からなかなかペースが速い。結構キツイぞこれとか思っていたら前がひらく。ここで集団が2つに。ここでジェネシスの一人と宙ぶらりんの状態になってしまい、半ば個人TTの状態でやっとこさほぼ一周かけて前集団に合流。ふぅ、と思ったら後ろ集団が二周目のはじめの登りで追いついてきて、さらにペースアップ。正直この登りで死ぬかと思いまいた。12周もあんのにここでこんな上がるのか、と。
その後もそのペース、というわけではないものの、最初2周のダメージがでかい。おそらく4周目?(3周目だったかもしれない)でまたもこの登りで集団が前後に分裂する局面があった。ここでの残り周回、そして自分のオールアウトにビビってしまい、周りの選手のペースに甘えてしまう。ここがすべての決定的な失敗。ここでの遅れは飯田ステージのみならず、TOJ総合成績順位すべてに響いてしまった。
この集団はグルペットというよりもそれよりも緩い、完走最終便のためとても優しいペースだが、先頭との差はどんどんと開いてしまう。
悔しい。走りながらにして悔しいと思ったことはあまりなかったがこの時ばかりは悔しかった。余力はあるのにもう気づいた時には遅く、レースは終わってしまっていた。
学連チームでは山本元喜のみが前に行けた。何度も千切れながらくらいついていたらしい。なぜ自分はあそこの局面で自分に自信が持てなかったのか。
そして学連チームは山本隼が落車、骨折によりリタイアという痛手をも負ってしまう。
意気消沈のまま明日の移動日へ。
/// 5/24(木) ///
もう総合は失った学連チーム、きりかえて各ステージを全力で行くしかない。
富士山ステージの試走という名のレガシィドライブで気分転換。この急勾配に対する作戦会議(笑。
/// 5/25(金) ///
平均勾配11%というぴゅあな登りのコース。富士山ステージ。
ここでははじめの周りのペースに惑わされないことが大切になってくる。気持ちを落ち着けてスタート。
が、開始早々まだ集団と呼べるものが存在しているうちから落車発生。倒れたブリッツェンの選手に乗り上げてしまう。あせる。
ただ、ここで無理なペースで前を追ってはいけない。落ち着いて周りを見ると淡々と登る佐野選手発見。これに乗って中盤までいいペース。だがやはり無駄足を使ったのがあとから響いてきて何人にも抜かれ始める。30Tを装着した木村が調子よさそうに軽快に登っていく。なんとかガク落ちしないように踏ん張ってゴール。空気が薄くて頭痛が。。
/// 5/26(土) ///
ついにやってきた。最後の山場、修善寺ステージ。普段のCSC5kmコースの逆回り+公道=凶悪コース、登りと下りのみ。コースプロファイル見たらただのギザギザだけやん!平坦?何それ状態。
飯田ステージでの悔しさはここにぶつけるしかない。
序盤から元喜含む有力な逃げができたためNIPPOのコントロールで走りやすい。ここはとにかく省エネ。秀峰亭からそれるのぼりがややきついもののまだ問題なくこなせる。
いよいよ終盤になり、アンカー都貴選手が吸収されてからアンカーのコントロールに。残り2周、つまり11周目の秀峰亭からそれる登りでペースが上がりキツイ。ちらりと前を見ると某N薗先輩が牽いていらっしゃる。早く売り切れろーという念を失礼ながら送る。この時点で集団に残る学連メンバーは黒枝と安井のみ。元喜は逃げで相当消耗したのか、前から下がってきたと思うとそのまま下がってしまった。
登りと下りしかないので回復する間もない。次のトンネルの登りでいよいよ切れてしまう。何とかしがみつこうと力をしぼりだしていたが、気づくともうトンネル手前で切れてしまっていた。
この後はジェネシスや狩野選手、都貴選手とまわしてゴール。粘った黒枝は日本人最高位の9位。
自分も持てる力を出し尽くせたので後悔はない。よかった。
ここで大中がリタイアしてしまう。おしい、あと一周だった。審判団の中でも下すか行かせるか議論があったということを知り合いの役員さんから聞く。残念。
/// 5/27(日) ///
最終ステージ、東京。
ここまで残った、総合は関係ない、となればもう学連チームの使命は「目立つこと」。
しかし日比谷をスタートして、交通封鎖された東京の公道を警察の先導のもと走るのはなんと気持ちのいいことか。
黒枝をスプリントで前へ、残りは自由、というようなオーダー。
序盤から木村が積極的にアタック。僕も集団が緩むスキをうかがうがあまりいいタイミングは来ず。
そうこうしているうちに残り周回は4を切り、ポジション争いは熾烈を極め始める。元喜・木村・安井・黒枝トレインを組織するものの、不慣れな木村・安井は外にはじかれてしまう。鹿屋二人はそれでも果敢にポジションを守る。さすがや。残り2周。
一瞬集団が緩む局面おとづれる。この日何もしていないので、ここぞとばかりに飛びだし!バッチリGOAL地点前の観客たくさんスポット前で目立つ。よかった!!放送もされてがらぱさんがちょっと紹介もしてくださったそうです。
そしてゴール。
長い一週間が終わった。いろいろ思うことがあるけれど、ひとまず完走リザルトがついて良かったのだ。
ありがとうございました。
飯田に応援に来てくださった小藤OB、修善寺に来てくださった有田さん、お忙しい中ありがとうございます。「安井!!」の声、ばっちり聞こえて力が入りました。
秋田監督、堺ではありがとうございました。
安田さん、そしてむぎっつぁんことメカ麦倉君、中央OB高島さん、東大中村、サポートをありがとございました。おかげで競技に集中できました。
そして、競技のことだけでなくこのTOJのマネジメントから何から何までやってくださった三宅監督、本当にありがとうございました。
***************
今日のチームタイムトライアル、東大チームに幸運あれ!