UTokyo bicycle racing team

最後のTTT

レースレポートを上げるのが遅くなり申し訳ありません。気持ちの整理がつかないわ書きたいことは多いわでなかなか書き終わりませんでした。
書いてから読み返したら、長いだけでまとまりが無く読みにくいですね、すみません...。新谷や松田さん、颯希などの文章力がうらやましいです。

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6/1(土) TTT

TTTはかなり思い入れのある大会である。

まず1年目、初めて直に見た大会がTTTだった。何も知らない状態で立哨をし、そのときは車間近いなー凄いなとしか思わなかった。立哨の仕事が終わりチームの所に帰ると先輩方が悔しがっているのが印象的だった。少しして、東大がTTTで何度も入賞している事、今年は入賞を逃した事を知った。

2年目は自分からみてかなり力のあるメンバーが揃ってとても期待していた。しかしそれでも入賞には届かなかった。この時点で来年はメンバーになる気が薄々していたので、来年入賞する事が自分の目標になった。

3年目、余裕という訳では無いが無事正メンバーになり本番を迎えた。初めてサポートを受ける側になり東大のサポートの手厚さを実感した。レースは往路2で脚を攣り、チームとしても復路2でタイムを落としてしまい、またもすんでのところで入賞を逃した。翌年の最後のTTT、絶対に入賞することを誓った。

これは余談というかどうでもいい話かもしれないが、自分が自転車を続けようと思う原動力になっていたのもTTTだった。実は去年の12月頭から今年の1月末まで自転車に乗れなくなった時期があった。原因は学科と部活で多忙をきわめ、試合後に徹夜というのを何週か繰り返してるうちに心が死んでしまったから。当時はかなり参っていて、多分TTTと団抜きがなかったらそのままフェードアウトしていたと思う。自転車に乗れない中でも、TTTには間に合うように(補欠だとしても)絶対に戻らなければと思えたことでギリギリで踏みとどまることができた。

上に挙げたようにTTTにはたくさんの思い出や思い入れがあるし、今年は自分の中でインカレよりも重要な位置づけだった。自分が現役でいるうちに絶対に一度は入賞したいと思っていたので、今年はラストチャンス。

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幸い、メンバーは自分が見てきた中で過去最高といっても過言ではなかった。練習方針も去年から大きく変えて、より長時間での合わせを重ねて来た。そのおかげで交代技術も高いレベルにあったと思う。機材やサポートの事は井上さんと植田さんが中心になってやってくれたので、最小限のことにしか気を回さなくて済み、自分の体調管理に集中出来た。

あとは当日全力で暴れるだけ。

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当日、起きて朝食を食べる。前日はかなり緊張していたが、打って変わってあまり緊張はしていない。明大前で部員を拾いつつ車で会場へ向かう。途中下道が混んでいて焦ったが、それでも余裕を持って到着。

会場ではサポートの人がほとんどの事をやってくれるので(自分でやったのは決輪を付けることと着替えとトイレくらい)、アップや試走に専念出来た。秋山さんが「この日だけは王様になれる」と言っていたのを思い出した。

試走で数ローテ回した感触としては、調子は良くも悪くもない。欲張らずに練習通りの力を出すだけ、という感じ。4番手にいると交代の声が聞こえづらかったので、折り返しなどの声はもっと大きく言うよう伝えた。 

淡々とアップをこなしていると、あっという間に出走直前に。かけ水や出走前ドリンクなど、直前までサポートを受けながらスタートラインに並ぶ。団抜きもそうだけど、僕は4人で並ぶこの瞬間が結構好きだ。もう緊張は解けていて、もう一人の自分が自分を俯瞰してる感覚。

そしていよいよスタート。ゆっくりとスピードを上げていき、最初交代をする。後ろに着くのも練習より上手くいく。後ろでは、吸い込まれているかのように軽い力で付いていける。新田さんが練習日記に書いていた「水の中にいるような感覚」という表現がまさに当てはまるような心地よい異世界、非日常。これは本当にTTTを走った人にしか分からないし、TTTの醍醐味だと思う。今思い出しても最高である。

序盤はついオーバーペースになりがちなので、余る元気を声を出すことに使う。「いい速度出てるよ。序盤は踏みすぎないように。」「後ろで休むことに全力を注ごう。」みんな積極的に声を出していて雰囲気は上々だった。

3ローテくらいして調子を聞いて回る。みんな割と余裕そう。一方自分はというと、NP,平均パワーともに5-10W高く、このままいくとあまり良くない。先頭時間をじわじわと減らしていってNPを調節する。

往路半分くらい?から2分先の早稲田が何故か見える。よく分からないが士気は上がるのでありがたい。

あっという間に往路が終わる。復路は逆風だったが、それでも45km/hくらいでいい感じ。先頭はそれなりにキツイが後ろで休めるため苦しくはない。皆に調子を聞くと「まだ大丈夫」と返ってきて、このペースなら行けそう。

復路に入っても交代が本当に気持ちよく決まる。今年は早くから練習を始めたというのと、当日全員が本当に集中していたのだと思う。

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補給地点まで残り5kmで突然の異音。最初は先頭交代で下がってくる響から音がしたと思ったので見ていたが特に異常はない。安堵した瞬間後ろから「パンク!!」と颯希の声がした。一瞬焦ったもののすぐ冷静になり、アウタートップにしてから止まり、予定通り後輪を渡す。交換する颯希にポジティブな言葉を掛け続け、送り出す。

これで自分のTTTは終了。全力を出し切れなかったのは残念だが、自分より強い3人が頑張ってくれる。そう思ってとぼとぼ歩いていたら何故か響が対向をすれ違って行く。意味が分からなかったが、どうやらまた颯希がパンクして、響がスカイスポーツ公園PITまで代輪を取りに行こうとしたようだ。パンク地点からPITまでは往復4km。距離が分かっていたとしても10分近く掛かっていただろう。絶望的。

頭が真っ白になった。どうすることも出来なかった。響もPITの遠さに諦め帰ってきた。やってきたサグワゴンにDNFを伝えるしかなかった。

サグワゴンでS/Fまで運んでもらいチームテントに帰ったが、サポートしてもらったのに結果を残せなかった申し訳なさと、有り余った体力と、悔しさ、それらをどこにぶつければいいのか分からず、ただただ自分の中に押し込めるしかなかった。機材トラブルがこんなにも辛いものだとは思ってもいなかった。

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翌日の立哨で偶然パンクした地点に配置されたが、コース上に小石が散乱しており、拾い切れない程だった。他大の状況をみてもパンクしやすい路面状況だったのは間違いないだろう。しかし、他大がタイムを落とす可能性のある状況こそ、東大にとってチャンスでなければならないと思う。あまり具体的な策は思いつかないが、一つ心残りなのは輪を渡す時に石を踏んでないか確認しなかったこと。そういう細かいことをきちんとやっていくことがきっと東大の武器となるので来年以降心に留めて欲しいと思う。

結果はDNFという最悪なものだったけど、25km地点の通過タイムでは7位であり、東大がまだTTTで入賞出来るということは示せたと思っている。今年は新田さん、颯希、響というTT向きのメンバーが揃い、自分もその一員として走れたことは最高にワクワクしたし、楽しかった。本当にありがとう。来年はもっとワクワクするメンバーになりそうなのでリベンジしてほしい。多分お手伝いしに行っちゃうと思うのでよろしく。

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今大会に限らずですが、本当に多くの方にサポートしていただきました。

日直商会様からはde rosa planet、Michelin Power competitionなどを提供いただきました。また水口様にはチームテントまでお越しいただき激励していただきました。本当にありがとうございます。TTTはplanetの初陣だったので良い結果をご報告したかったのですが...結果でお返しすることが出来ず申し訳ありません。

BlueWychの柿木克之様には配分から練習メニューまで指導していただきました。間違いなくTTTにおいて東大が持ってる一番のアドバンテージが、柿木さんの存在です。当日含めお忙しい中時間を割いて指導してくださりありがとうございました。柿木さんに言われるとどんな無理そうな事でも出来そうな気がするから不思議です。今後もよろしくお願いします。

前輪に関しては、ASTUTOのTTホイールを今年も使用させていただきました。リム形状、ハブのフランジなど随所にTimのこだわりがみえるTT特化ホイールで、本当によく進みます。正直これを使う以外の選択肢が考えられないです。ありがとうございます。

完璧なサポートをしてくれた監督、中村さん、部員のみんな、ありがとうございました。おかげで完全にレースに集中することが出来ました。特に植田さんと井上さんには準備から当日まで中心となって働いてもらって本当に頭が上がりません。

応援にいらしてくださった谷川OB,平山さん(サポートもしてくれました)、役員を務めてくださったOBの皆様、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。


TTTは悔しい結果に終わってしまいましたが、悔しいなんて言ってる暇もないほど選手権大会はまだまだやってくるので、切り替えて頑張ります!取りあえず個人ロード、完走します。