UTokyo bicycle racing team

 修善寺で行われたJCRCの第1戦に参加した。冬場のクリテリウムを除けば、これが実質、シーズンの開幕戦となる。冬場でのトレーニングの成果が試されるわけだが、体重も例年より増えている上に、持病の貧血も改善しておらず、とても満足に走れるとは思わなかった。

 参加したクラスはZクラスという耐久クラス。一番長く走れるので迷うことなくこのクラスに。28周するインカレに向けての練習と割り切り、結果は期待せずに走る。予想では、5kmコースを16周、2時間30分強走ることになる。このクラスはどのクラス認定を持つ人でも走れるため、全部で70人弱のメンバーリストを見ると、SSクラスやSクラスなど格上の人も多い。その中でどれだけ粘れるか。昨年はこのレースでは1周回遅れだったので、今回は周回遅れにならず完走するのが目標だ。

 長時間走ることになるので、直前まで食べまくってスタート。先が長いから序盤はペースが遅いだろうと思い、ローラーでのウォーミングアップを省略したので、最初の数周がきつい。こんなのを10周以上も繰り返すのは無理だと思えてくる。とにかく集団の前に位置し、上りで遅れても集団からこぼれないようにする。そうこうしているうちに足も回りだし、一定ペースで走れるようになってきた。

 苦手な下りも何回も連続して走っていると次第に慣れてくる。いろいろなラインを試す。そのうちにスピードを乗せられるようになり、下った勢いで上りで集団から抜け出せるようになる。だが、飛び出しても誰も追っては来ない。まだ、半分以上も周回数が残っているから当然か。逃げるチャンスだが、残りの周回を独走する自信はない。おとなしく集団を待つ。だが、先頭付近を走っていると下りでも自由なラインが取れるので気分的に楽だ。1周9分30秒前後の安定したペース。

 9周目から集団のペースが上がる。心臓破りの坂で集団からちぎれそうになる。去年のインカレでここでちぎれて終わったのを思い出す。ここまで一切ダンシングせず脚を温存してきたが、さすがにここでは思いっきりダンシングし、集団に食らいつく。後ろを見ると既に誰もおらず、集団は20人程度にリストラされたようだ。しばらく耐え、ようやく一息つく。切れなくて良かった。だが、思いっきり脚を使ってしまったため、もう逃げる脚はない。目標は完走だ。あと何回、心臓破りを上らなければいけないか考えると気が滅入る。27Tのギアを使ってとにかく回す。あと何回の辛抱、とカウントダウンしていく。

 集団の先頭で下り、上り始めで集団から飛び出すということが毎周回続く。そして16周目。耐久レースなのでこれが本当に最終なのかわからない。周りの選手たちに尋ねてみるが、最終周という意見ともう1周あるという意見があり、よくわからない。とりあえず最終周のつもりで走る。集団は10人程度。今の脚でスプリントで勝てる自信は全くない。

 それまでと同じように下りに先頭で突っ込み、上りでは少し強めに踏む。しばらくして後ろを振り返ると、集団は離れている。泳がされているなあ、と感じる。ゴール前に追いつかれるんだろうなあ、と思いつつ、あとは踏みまくるしかない。ゴールの下りストレート、振り返ると集団がいない。やはり最終周でなかったのか、と思いつつもとりあえずスプリント。ゴールラインを割った先でスタッフが旗を振っているのを見、やはり最終周であったことを確認。何とか、逃げ切ったことに安堵する。

 結果を待つ。いつ決まったのかわからなかったのだが、集団の前に逃げがあったらしいことはわかっていたので気が気でない。
 結果は5位入賞。4位の人までは50秒差だった。さすがに詰めるのは難しい秒数だ。後ろは10秒差で高木君。レース中、彼の強さがわかっていたので一緒に逃げれば別の展開もあったのだろうが、さすがに早めに逃げるだけの脚は僕にはなかった。

 この脚とコンディションで5位入賞なら充分な結果だろう。インカレに向けて良い練習になった。これから徐々に調子を上げ、さらに上を目指したい。
 ちなみに賞品は入浴剤だった。