UTokyo bicycle racing team

個人ロード 優勝

ついに全国タイトルを獲りました。

レース前

2days木祖村のあたりから妙に疲れを感じていて、パワーが出ないわけではないがなんだか元気がないという状態だった。減量を意識しすぎて食事が少なすぎるんじゃないかという気がしたので木曜からしっかり食べる。土曜も朝昼晩しっかり米を食べた。

前日は適当に試走。このコースだけで600kmは走っているのでもはや試走は不要。雨降ったら怖いなーという感想のみ。展望台の上りはしっかりと見ておく。幅が狭いので先行有利だと思っていたが折り返しまでが記憶以上に長くて配分が難しい。集団で入った場合折り返しで前にいなければいけないのは確実。なんとなくイメージを掴んでおく。

夜はやたら眠くて20時すぎから意識朦朧で22時には完全に入眠。準備等はサポートメンバーに丸投げしてゆっくりできた。助かりました。

 

朝起きると予報通り雨。補給所への移動もあり大変だったがなんとかギリ慌てないくらいで準備できた。15℃で雨ということで他選手を参考にしつつ、おたふくインナー+レインウェアという厚めの格好で行くことにした。これが結果的に良くて、まったく冷えずに済んだ。厚着したら負けみたいな思想はなくていい。空気圧は前後4.8barくらい。アップはもうちょっとやってもよかった、全日本では真剣にやろう。

レース

前年度8位のため先頭スタート。雨だしスタート直後のカオスに巻き込まれたくないので2分ほど先頭で突っ張る。最初の1分坂はしっかり速いので無理のないペースで位置を下げながら上る。

普通に速くてしんどいなーと思ってたら逃げが先行してて、補給所で鎌田と大仲を含む4人と聞く。メンバーえぐ!と思ったがまあ4人なので一旦放置。単独エースでそこに入りに行くのはギャンブルすぎるし、そこまで攻めなけれがならないほど不利ではない。(すなわち、順当なエース同士の撃ち合いで勝てうる脚はある。)

逃げが決まって早々に天野から追走の誘いを受けるが、泳がせたいのでNO。平坦基調のこのコースで4人なら問題ないだろうということで特に追わなかったが、鎌田晃輝/大仲凜功/平井杏周/吉田圭吾というあまりにも強力なメンバーだったため、結果的にこの判断が絶妙であったということになる。

なんだかんだ序盤のペースがそこそこきつかったのでしばらく回復に努める。少ししてから何人か追走に出たようだが問題なし。補給所の上りがやたらつらいななどと思いながら省エネしていたら、中盤に差し掛かるあたりで逃げとのタイム差が4分とかになる。数を揃えている日大と京産が逃げに入れているため牽引するチームがなく、流石にやばくなってきて中央,明治,法政,同志社天野あたりと回し始める。それなりに牽引に入りつつ、さぼりつつ、で残り40kmで2分半くらいまで詰める。後で振り返るとヒヤヒヤのタイム差だが逃げは最後に人数を減らして失速するだろうから、力を溜めているメイン集団がかかれば捕まるだろうという読みだった。逃げをとらえなければならないのは当然だが、優勝を狙うわけだから、ライバルに対して優位に立つようなやり方で差を詰めていく必要がある。逃げを追うことに集中してはいけない。

残り約30kmで逃げから2人落ちてくる。集団約20名 vs 120km逃げてきた2名。残り3周に入る手前でコーナーワークアタックで10秒ほど抜け出すシーンもあったがまだ前まで2分ほどあるので戻る。少なくとも射程圏内に入るまでは集団でこなしたい。残り3周だかの補給所上りで昨年チャンピオンの天野が辛そうにしている。他に有力なのは、逃げに入れている京産の上野、やはり脚がある様子の林原・五十嵐、調子が悪そうだったが終盤に前に上がってきたかみたいあたりか。この頃になると、逃げにいる日大と京産以外はほぼ単騎になり、林原がかなりの割合を引いている。そして、上りの感じからして自分がかなり脚を残せていることが分かった。やはり逃げもペースが落ちてきて、残り2周で1分半、残り1周で40秒。最後の展望台への上りで一気に詰められるだろうから、射程圏内に入ったと言っていい。

最終周の補給所は先頭で入って下からしっかり上げる。6倍超で踏んでいくと後ろが離れたのでちょっと待つ。ここで切り離して単独で行くみたいなこともできたかもしれないがその勇気はなかった。頂上付近で逃げを視界に捉える。あとは最後の上り一発勝負だ。

ワインディング区間も順調に進み、トンネルでちょうど入口と出口くらいの差。これなら最後の2分坂で余裕で捕まる。橋では牽制横並び。林原を抑えるような位置で前を張る。橋を渡り終えたところで10秒差。いける。

上り口で朝日がアタックして突っ込む。ありがたい!後ろについて上りに突入。そのまま垂れた朝日と逃げ2名をパスしてオールアウトしない範囲でガンガン踏んでいく。後ろを見ると集団が少し離れていて1人抜け出した状態。もうこのまま行っちゃうしかない。緩くなってからダンシングで加速して踏ん張る。折り返し手前で振り返ると集団は全く見えない。

え?勝った?

折り返してから9割くらいで踏んでいって余裕を持ってフィニッシュ。優勝。

✂️ Last 1km - YouTube

 

©深井さん

折り返してからのもう1発に備えていたのでなんだかあっさりすぎて実感がわかない。優勝候補がそれぞれに脚を使ってくれていたおかげだろうか。

これにて個人では全国初優勝、そしてツールド北海道出場も確定。

サポートの皆さん、雨の中本当にありがとうございました。雨の時は選手よりサポートが大変だといつも思います。結果で返せて良かったです。

 

次は全日本👊

©深井さん

©深井さん