UTokyo bicycle racing team

全日本ロードレースU23 8/11周DNF
この大会のコースは、当初耳にしていた情報では、平坦系で走りやすいというものだったが、いざ試走をしてみると、思っていたのと違う、アップダウンのあるタフなコースだった。
東京から実に1000km近く離れた島根県でのレースであったが、OBOGの皆様方の手厚いご支援により、航空機で遠征することが実現したおかげで、移動等でストレスにさらされることもなく、良い状態でスタートラインに並ぶことができた。本当に、ありがとうございました。
まず5周目まで。先日の学生個人ロードでキャリア史上初めて本格的に長距離ロードレースを体験できたことで、ロードレースの展開や、アップダウンでペースが上下する状況下での集団内での走り方といったものが具体的に頭に浮かぶようになったおかげで、ここは無駄足も使わず、極めて平穏にレースを進めることができた。ただ周囲では散発的に落車が発生しており、ああいうのに巻き込まれたら怖いなあとは思っていた。
やがて6周目序盤の坂に入ると、それまで通り勾配のキツイところでダンシングを混ぜようとした時、いきなり太ももの前側の筋肉に違和感が走った。しかも一気に両脚とも。やばい、つりかけた。と思ったので急いでmag onを摂取。長距離レースに慣れてきたおかげでスムーズに補給を取れるようになっていたから、それまでの段階でも積極的に補給は取っていたつもりだったのだが、このような形になってしまった。とにかくこれではダンシングできないので、頼むから回復するまではアタックかからないでくれ、と祈りながら走っていたが、残念ながら7周目序盤に有力選手のアタックがあって集団はバラバラになってしまい、自分は取り残されてグルペット入り。
ただし、未練がましい奴なので一つ書き加えておくと、実際は6周目の最後のところで、集団内でやや大規模な落車が発生していて、自分は直接巻き込まれはしなかったが足止めを食らい、復帰に力を使わされるというロスがあった。復帰しようとしている間に前方で集団が分裂し、なんとか追いついたところはすでにグルペットになっていたという感じ。なので、仮にそのロスがなく、復帰のために使った力もアタック対応に回すことができていたりしたら、シッティングだけでも前方についていけていたかもしれない。たらればだが、無念。
と、ロスがなかったらイケてたという雰囲気を出したけど、実際はどうやっても完走にはたどり着けなかったと思う。なぜかというと、自分は、どういう形であれ7周目で脚を使った後、いよいよ脚攣りが本格化し、あいにくにも力が入らなくなったから。事実、せっかくしがみついたグルペットにも8周目の序盤にちぎられてしまった。なのでもし先頭集団に入れていたとしても無理だったであろう。先頭集団からこぼれてグルペットに拾ってもらう、という展開になったとしても、最終的にはそのグルペット自体が切られているわけだし。
完走には、7周目のペースアップに先頭集団でついていって、かつそのままその集団に居続けることが必要だったのだと考えると、やっぱり相当厳しいレースだったのだと改めて実感させられる。実際に完走者と脱落者の名前を見れば厳しさがよくわかるのだが。
結局、グルペットから8周目序盤にちぎれた自分は、そこでペースがガクッと落ちて、8周目完了時に赤旗を振られた。
さて、このように完走に至らなかった今回のレースであるが、個人的には、与えられた条件なりにいいレースができたとは思っている。集団内での走りや、補給摂取、周囲への見渡しなど、随所に改善が確認できた。また、走行データを見直すと、ペダリング左右比が改善していた。
しかし、やっぱり途中で降ろされるというのは非常に悔しい。最後まで走らせてもらえなくて非常に悔しいというのは計測競技やスプリント系競技にはないロードレース特有のものだと思うが、近年の東大の先輩がロードレースに本腰を入れる傾向があったことの原因も、この悔しさにあるのではないかと最近考えられることがある。ともかく、自分は今とても悔しく、ロードレース熱が俄然高まっている。インカレロードを最大目標に据えて頑張ろうと思う。
最後に、今回の遠征においては、OBOGの皆様方に多大なるご支援を賜りました。また皆様から激励のメールをいただく毎に私共も嬉しく、頑張ろうという気持ちになりました。実際、遠い島根県の試合に万全の状態で臨むことは自分たちだけの力では不可能だったと思います。最高の状態でスタートラインに立たせていただきましたことを改めて深く御礼申し上げます。
また、今回のレースでも、日直商会様からご提供いただいているDE ROSAのNick、michelin power competitionを使用させていただきました。結果に結びつけることができず誠に申し訳ございませんでしたが、こんな厳しいレースの中でも、自己ベストの走りをすることができたことの前提に、衝撃吸収性に秀でたフレームのNickと、転がり性能の素晴らしいpower competitionがあったことは間違いないです。インカレロードで恩返ししたいです。
また、補給やご指導などをしてくださった三宅監督、レース前日の準備や補給などをしてくださった松田さん、荷物の梱包等を色々手伝ってくださった松田さんのお母様、ありがとうございました。
こばなし:今回は、出場者が学生に限定されない全日本選手権ということで、これまで一緒に走ることのなかったようなプロチームの選手とサイドバイサイドになったりトレインを組むことになったりしたわけだが、そういう中で、俺は時々、シマノの青いジャージの後ろを走ることになった。そんな時、俺は、そういえば俺は高校のころ、出席番号で島野君のちょうど一つ後ろだったなー、なんてことを思い出した。だからって特に意味はないけれど。