UTokyo bicycle racing team

TTT 9位 1:22’16”12 46.09km/h
[試合前]
5/5から体調が悪く、なんとか7日の試合は出場、それ以降ずっと寝たきりで5/20から練習再開。ほとんど練習できていない中でのチームTT。はっきり言ってこれほど準備できなかった試合はない。TTは準備がものを言う試合なのに、こんなので大丈夫なのかという不安でいっぱいだったのは言うまでもない。一方で、僕が主将になってからチームTTでの入賞から離れていて、絶対に入賞したいという思いもあった。僕が引っ張るぞというより、みんな強いのでそれをまとめるぞという思い。それが強かった。
準備段階では「試合前なのにまだ完璧じゃない」自分と走るのが気に食わなかったけど、それでもなんとか指定時間の少し短めを守る感じでごまかしていた。強度も時間も少し無理をして、後ろで必死に休む感じ。さすがに3年目となればそこらへんは上手くなる。調子も上々とは思わないけど、伸びる感覚はあったのでひたすらに自分を信じるのみ。50分の練習の感覚から考えて、生駒さん、長岡、こういっちゃんがやはり強いので彼らを信じて突っ込むことにした。保険をかけていては入賞はできないから、ある程度攻めないと無理なはず。柿木さんを信じて、僕はひたすら突っ込んで鼓舞し続けるしかない。
できる範囲で準備は結構した。練習後の疲労感が全く抜けないのでマッサージオイルを買い、セルフでもマッサー植田からもしてもらった。ストレッチは欠かさず行い、栄養も積極的に摂取。機材も最高のFORMULA KINGだし、Sports Bikes HiRoad青山さんに整備は依頼して完璧。ホイールも最高。試合の用意はだいたい人に動いてもらった。ただ集中するのみ。
[試合中]
柿木さんから僕の先頭の時間を5秒減らしてはという提案があったが、きつかったら下げよう程度で考えて出走。個人の時間はいくらでも調整できる。それよりも全体強度を落とさないこと。それだけを考えていた。
出走して7分くらいから全体の調子を聞いて回る。生駒さんが調子悪い、長岡が浮かない返事。僕井上はいい感じ。これではあまりあげられないので、そのままのペースを維持するように指示。風向きは往路1/3ほどが少し左からの横風。それ以降は弱い向かい風。ちょこちょこ声をかけながらサクッと走った。復路も同じ。やや追い風だけど、ぴったり後ろに入って横風に敏感になれば基本は楽チン。あっさり1本目は終わった。
2往復目に入った時は余裕たっぷりでこれからだぞと叫び回った。しかし、このとき他の3人はかなりきつかったらしい。1)意思疎通が取りきれていなかったし、2)どれくらいのきつさが想像されるかのシミュレーション不足だったように思う。
そこからは全体的に交代頻度が上がっていった。これは仕方ないことだが、先頭の出力があまり出ない。速度が下がっていた。生駒・長岡で速度が下がるように僕には感じた(交代の関係上、そう感じただけで他の人が下げているだけかもしれない。別に誰を責めるわけでもなく、全体が弱いだけ)。これはどうしようも無いので全体の強度を落とすように指示。僕自身もなかなかにしんどいのでたまに時間を少し減らしたりして対応。なんとか最低限の時間だけは守る。
2本目復路はもう足が全然なくて、それでも意地で回していく。長岡が本当にきつそうで生駒さんがなぜか復活。出力は低いものの結構長く引いてくれた。それでももうボロボロでなんとかゴール。1本目を守りきれなかった。東大は2往復目で速度が落ちてはいけないのに、そこで1分ほど落としている。
[試合後]
周りの反応を見ると、上手く休めていなかったようだ。3)横風の指示をまめにしなかった、あるいはその重要性を練習段階で徹底できなかったことに原因を感じる。
また4)速度を途中であげてしまうのを何回か繰り返す選手、それに怒る選手をうまく扱うのも僕の仕事だった。最後に5)半数がイマイチな反応を出走後7分で示したのだから、ペースを少し落とせば1本目と2本目のタイム差をなくせたのでは無いかとも思う。
以上5点が試合中の僕の反省点。でもこれを全て修正したところでどれだけ伸びたかと言うと難しいところはある。後40秒近く詰めるのはできたようにも見えるが、前半のペースはやはりきつかっただろうとも思う。各々の当日のベストは尽くしただろうと僕には思える。
結局のところ、個々が弱い。それに尽きる。柿木さんのデータ解析、それに基づく練習によって力の100%を引き出すことはほぼうまくできている。だから明治や法政などにはなんとか勝てた。でも実力が足りない分だけ入賞や表彰台に届いていないのだと思う。追い込み具合が足りなかったという指摘もあるだろうけど、追い込んだからといって前半以上のタイムは出ないので、それだと6位だ。僕たちはもっと上を目指さないといけない。実力が足りない。
[色々振り返って]
実力が足りないなどすごく上から目線で書きましたが、一番実力が足りなかったのは僕です。最も強い僕が途中自転車から離れたせいだということはかなり大きいファクターだと思う。僕がもっと引いていれば違う結果だったでしょう。試合中の小さなミス以上に大きな原因です。だからメンバー3人と期待をかけてくれたスポンサーの皆様、そして東大のみんなには申し訳ない。期待が落胆に変わる瞬間は悲しいものだから、それを味わわせてしまったのはかなり残念です。
また最高のサポートシステムを作ってくれ、そしてチームTTという最も準備で変わる試合の結果を出そうと奮闘してくれた植田にも、申し訳ない。みんなの力で結果を出して「ほら私のサポートでかいでしょ」とドヤ顔する植田を拝みたかった。背中をバシバシ叩かれたかったけど、これは個人ロードに延期なようです。
さて。今回は入賞すらできなかった。でもだからといって悲観的にならなくていい。東大チームTTは選手の実力を最大まで引き出すことがやはりできるし、その実力を伸ばしことさえできれば、学連のレベルが上がっても入賞以上の結果を目指せることに変わりはない。実力を伸ばすことに関しては僕が引退するまでの間に、なんとかする。僕はでかい口を叩きまくるけど、でもその発言に少しずつ近づいているといつも思う。だから信じてついてきてほしい。だいたい三宅監督と柿木さんの言っていることをやっているだけだけど、それでも身近に生身の目標があれば簡単に目指せる。そういうものになってみせるから、目指してくれ。僕は浦さんを「レベルが違う」と思いたくなかった。実際レベルは違うけど、そう思っては始まらない。僕はまだ身近なので、僕を抜きにかかってほしい。それが東大のTTT入賞、そして表彰台への第一歩だと思う。
それでは以上がチームTTのレポートです。DE ROSA FORMULA KINGを貸していただいた日直商会様、TTホイールを用意してくださったG.S.Astuto様本当にありがとうございました。サポートしてくれたみんな、ありがとうございました。こんな中で競技をできる自分は本当に幸せ者です。あとは賞状をとってみんなと写真を撮るのみ。あと少しで着を取れる。口先だけの男にならないように、試合から逆算して練習するのみ。信じてもがけ。