UTokyo bicycle racing team

ツールド北海道レポート
結果:総合26位(U23総合:7位)
今年のツールド北海道は残念ながら東大チームとしての参加は叶わなかった。しかし以前より親交のあった京都大学の皆さまからのありがたいお誘いを受け京大ジャージを着、京大チーム5人目のライダーとして参加させていただきました。このチャンス、けして無碍にすることはしたくない。
けれど思えば今シーズン、個人TTではなんとか結果を残せたものの個人ロード(落車DNF)、全日本アンダー(DNF)、インカレ(ただ完走しただけ、順位も下のほう)とロードレースではことごとくダメ。しかも今年の北海道は下見もしていないうえに第一ステージからなかなかキツイステージとなっていて、正直かなり不安だった。本当に去年より成長しているのか?完走さえ不安に思った時もあった。
しかし去年の経験が思った以上に大きく、事前の準備、集団内での走り方や集中力の配分といったことでアドバンテージがあったように(今考えると)思う。しかも現地での京大メンバーさんたちの温かさや、小藤OB相沢OBの力強い応援、孝之さんのご姉妹(??)・西薗夫人の応援が僕をリラックスさせてくれた。そのたくさんの優しさが、「もう思いっきり行こう。周りの評価なんか気にしない、変なプレッシャーなんか気にしなくていい。誰のためでもなく自分のために」といういい精神状態へとみちびいてくれ、レースにはすべてがベストな状態で臨むことができた。
これまでの反省を生かして「集団内ではとにかく脚を休めることに集中する」「走行中、特にダウンヒルでは集中力を絶対に切らさない」ことを意識した。
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1stステージ
北海道にしては季節外れの暑さとスタートから補給地点までの長さ、序盤〜中盤まで頻発するアタックに落ち着かない集団。この前半部分でどれだけ体力の消耗を抑えられるかがカギだったように思う。
ジェル3本を投入したスポドリをしっかり飲んでけいれん対策、何度か発生した落車にも落ち着いて対応していい具合に前半をこなす。ニュートラルからもらえる、去年は苦戦したペットボトルのミネラルウォーターも余裕をもって補給できた。
このステージで決定的だったのはKOMで、この登りで集団がばらばらになった。西薗さん含む先頭集団(10名ほど)には乗れなかったものの、一人淡々と登っていると後ろから来た鈴木真理選手と合流できこれによって10名ほどの追走集団に乗ることができた。しかしこの下りが凶悪すぎて、過去最高に攻めることができたが一か所特にヤバいコーナー(何名か落車してた)でオーバーランしかけ・後輪ドリフト。今の技術では本当にこれが限界だったので後悔はしてないがこれで単独走に。
下り終わってもなおも一人TT。THE北海道の道なので前の集団は視界に入るが単独で追いつくには厳しい。だが冷静に考えれば前に20人しかいないのなら必ず後ろから追走集団が来るはず。この予想通り福島選手や山本選手野口選手(鹿屋)ふくむいい集団がやってきてこれに乗ることができた。しかもうまいことに前の第二グループに合流することもでき、結果オーライ。やっぱり“前で待つ”ことも大切なこと。
最後の坂ですこしこぼれたものの、先頭から3分半遅れでゴール。ここで総合25位。
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2ndステージ
このステージは最初のKOM津別峠がキモ。勾配のある登りに狭い下り。心して臨む。去年は遅れていた登りでも、今年は前のほうで登りきることができる。それに下りもよく集中できていて、確かに周りのプロより遅いけれど致命的に遅れることはない。
ここをこえてしまえばあとはずっと集団で。もう集団で走ることに何のストレスも感じない。最後終盤に3人の逃げができた時にカウンターアタックを狙って福島選手の後ろにひそむもこの逃げは吸収されることなくゴールへ。
結局集団完走して大勢に変化なし。ここで総合23位。
しかしずっと集団で走っていたとはいえ津別峠を越えた後、アップダウンの180kmを走るのはとても疲れる。あと1ステージ、残りの力を振りしぼり明日の3rdステージへ。
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3rdステージ
このステージの前半は下り基調。集団に潜み、力を温存する。
このステージ、僕にとっての勝負どころは中盤KOMだった。自分の登りに過信していたのか、決定的な前集団30人弱に先に行かれてしまい、下りで僕含め4人が宙ぶらりん状態に。前の集団は下りで活性化していて4人で頑張って追うも結局追いつけず、後ろは完全グルペット状態でペース激遅。KOM直前、後ろからかけて先頭集団に合流した中尾選手(順天)を見送った自分が今でも悔やまれる。
しかしまだあきらめるわけにはいかない。バイク審判からできるだけの情報を聞き出し、自分に残されたできることを考える。今の状況では総合順位を上げることはできなくても何とかキープすることはできるかもしれないと考える。後ろのグルペットにも必ずうずうずしている選手がいるはず。なのでこの4人で疲れない程度に回し、前で待つ作戦。
結局この4人で50km弱走り、ゴールまで残り40km、丘陵地帯に入ったところで後ろでアタックの様子!もうこれが最後のカード、飛び乗って心をきめる。結局僕含め6人の追走組(悪あがき組)が形成される。
最後25kmほどは平坦なのでさながらチームTT状態。横風に耐えながら6人の心を一つに、1秒でもタイムを。なんとかみなでゴールした時にはお互いにたたえあった。後ろのグルペットも最後はペースを上げたようで約1分半後にゴールしていた。
気になる総合はその1分半が大きく効いて総合26位・アンダー7位ともちこたえる。もしグルペット完走なら総合33位アンダー10位と大きく順位を落とすところだった。
あの時の判断は正しかった。しかしそれ以前に大きなミスを犯しているので結果的にマイナス。苦い思いをしたステージとなった。
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4thステージ
モエレ沼公園TT。もうこのTTで僕の総合順位が変化することはない。思いっきり走るだけ。スタート前のヤジ(応援?by早稲田S選手)で身体がほぐれた笑
やっぱりコーナーの攻め方がまだまだか。順位は真ん中ぐらい。
ツールド北海道2011!無事終わった!!(実は総合26位は東大記録では!??)
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絶対に書いておきたいことがあります。それは今回もスポンサー様のおかげでストレスなく走れたということ。
去年より格段にテクニカルになったダウンヒルで僕がなんとか食らいつけたのは日直商会様よりサポートいただいているMICHELIN SERVICE COURSEタイヤの抜群のグリップ力であるように思います。一度自転車を倒しすぎ、終わったと思う場面がありましたがしっかりと地面に食らいついてくれました。また、SWANS(山本光学)様よりサポートいただいているGIROメットIONSは暑いとき寒いとき・レースが長距離となる時もストレスフリーに僕の頭を守ってくれました。やはりかぶりの深いメットは心地よいです。もうひとつサポートいただいているアイウエア:サイニウムは雨の3rdステージでその抜群の性能を見せてくれました。他選手が汚れや水滴による視界悪化からアイウエアを外してしまう中、その撥水性と対くもり性能の高さから一度も外すことなく走りきることができました。
ありがとうございます。しかし今回は東大チームではないということでユニフォームにロゴを載せるということがかないませんでした。申し訳ありません。
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今回の試合ではほんとうにたくさんの人にお世話になりました。
とくに京大チーム、秋山監督はじめマネージャーさん選手のみなさま。ありがとうございました。
そしてツールド北海道にかかわってくださった全ての人に感謝です。