UTokyo bicycle racing team

部内2009-10年度会議へ参加。その前に部室大掃除が決行された。部室前のテラスに並べられた各種の機材、ホイール、フレーム、テント、本、私物、パーツ、うんたらかんたらは圧倒的な量であり、我々は目を疑い、意気消沈した。しかし、人数がいるということはおそろしいことで、アリのごとくちょこちょこと各人が動いていると、アリが自身よりはるかに大きな角砂糖を突き崩すように物品はエントロピーの減少を見せ、ある種の秩序を見いだし、部室へ収まっていった。よって現在の部室はかつてのように人前に出すことのできない凶悪な第4世界ではない。腐敗した水のはいったボトルもなければ、カビの生えたパンも落ちていない、部員が笑顔で夢を語らう清く正しい学生生活の場と復帰した。

整理後、中央食堂にてミーティングが始まった。各種の事務手続きが行われたが、なかでも焦点は「代替わり」であり、新鋭にして我々上級生の下で虎視眈々とエースの座を狙い、その牙を磨き続けてきた下級生がついに役職の上で天下を取るときが来たわけであるが、それと同時に成績の上でプレッシャーをますますかけられることになった。大変だとは思うが頑張って欲しい。

一昨日の高校生の質問に関して、返答しましょう。まず方法論に関してですが、メディオ・ソリアなどイタリア式の名前を使っているのは便宜上で、実際にイタリア人がこのようなトレーニングを一般的に行っているかはよくわかりません。多分この呼称が一般に普及したのは何年か前のファンライドの記事に現在のコーチである柿木克之さんと孝之さんが共同執筆した記事が始まりだと思いますが、特にこだわっていません。

さらに重要なことに、このブログはありのままに事実を記載しています。高校生のみなさんからすると本当に時間が少なすぎるのではないかといぶかしがるのも無理はないと思うのですが、このトレーニングは(少なくとも僕にとって)強度がそれなりに高く設定されています。例えば僕がメディオを行う出力はそれを40分続けると学生TTで優勝するぐらいの強度です。それは20分という半分の時間でもそれなりにきつく、それを日常的にこなすのはそれほど簡単ではありません。2分半などの短めの練習も同様で、パワーメーターを使って僕らは現在厳密に2分半持続できる限界値を突き止めており、そのすれすれのメニューを毎回こなしています。

パワーメーターを使ってみるとよくわかるのですが、自転車は本当にさぼるのがたやすい競技です。6〜7人で走ると本当に力を使って走る時間は一人で走るのより半減しますし、ローラーを使うのと実走するのとでは時間の効率に大きな差が出ます。(休憩の時間などを厳密に管理するのも重要です。試合中はそれほど休めない)そこを本当にギリギリまで突き詰めていくと僕らや、また似たスタイルとして慶応出身のインカレ優勝者の高岡さん(http://d.hatena.ne.jp/RoppongiExpress/)の練習のようになってくるでしょう。高岡さんのブログと比較しても僕らの練習が軽くないことが分かると思います。

だから、もし君がきちんと自転車部のある学校にいて、パーツを買うお金を親に出してもらえるような境遇なら、デュラエースやらカーボンフレームやら買ってもらう前にパワーメーターを買ってもらうことをお勧めします。(僕は今でも105ですけど)かつての僕のようにそんな金はなければ、決まった練習コースでタイムのように客観的な尺度をもつことをお勧めします。そしてできるだけ強い人を探して一緒に走ってもらいましょう。

そして強くなるついでに勉強もして、東大入って当部で活躍してもらえるとありがたいです