UTokyo bicycle racing team

気合満々で朝9時の立川に乗り込む。アクセスは多摩川経由でのんびりと。あまりの快晴ぶりに唖然としてしまう。明け方低かった気温は、12月にしては力強い日差しですみやかに上がって、ぽかぽかとした陽気になってきた。寒いと思っていたので着込んでいたウィンドブレーカーを途中で脱がねばならなかった。

今回はコメット&コスミック&DHバーというTTフル装備で臨む。東さんと古居はディスクがなかった、が、非常にいい仕事をしてくれた。それ以外は各々のベスト装備。選手でないみんなからサポートを受けてスムーズに準備は進んだ。

作戦はやはり僕(西薗)が、長く長く引いて、高木さんが中程度引き、5人の体制をできるだけ長く維持する。後半他の人が余裕が残っているのがわかってきたら、だんだん配分を移していくというもの。結果的にはほぼその通りになった。

ウォーミングアップにはローラーを少しと、場内試走3周。2周はそれなりに速めのペースを保って走り、ローテーション、カーブなどの感触をきっちり確かめた。最後1周は流す。

まもなく簡潔な開会式を終え、続々と出走していった。昨年2位に滑り込んだために出走はかなり後だ。なんか明治がタイヤがバーストしたり、スタート時刻に選手が遅れたり散々なことになっていたが、逆に慌てている人をみて落ちつく。

スタート。最初の先頭でペースを力強く作る。みんなも安定してついてきているようだ。いいかんじ。何周かするうちに、早稲田との差が常に伝えられる。やはり法政が圧倒的に速く、僕らは早稲田とほぼ同位置で走っているらしい。序盤は10秒ぐらいのリードから始まったが、周を重ねるごとに5秒ほどずつ奪われ、10秒差ビハインドぐらいで止まった。

その間ほぼトラブルはなし。石川さんの前輪からテープが剥がれたとおぼしき音がしばらくしていて、あるときふっとやんだのと、東さん?のブレーキング音が途中からすごくうるさくてちょっと怖かったぐらい。あ、水たまりで一回後輪が流れたのもあったが大丈夫だった。徐々に疲労していくのがわかったが、僕が序盤で一番苦労しておかないと後が大変なので、結果的に1分半〜2分は引いていた。ちょっとひきすぎだったかな。

3周目ぐらいで1度目の法政の接近が知らされる。が、すぐにまた離れた。その間明治など数チームを抜く。

4か5周目で法政が1度目の追い越しをかけてくる。しかし、抜いた後向こうが割に足を緩めてくるのと、下りはうちのほうが踏むものだからちょっと並走してから逆に抜き返す。登りに入るとまた抜かれた。もう1回下りでかなり接近したが、審判の警告もあり、離れる。それからじりじりと離されていった。強い。めげずにいまだ引きまくる。

7周目ぐらいの登りででなぜかアウターに入っているのにさらにアウターに入れるレバー操作を無意識にやって、外にチェーンを落としたが、割と慌てないで自転車から降りずに復帰。大過なかった。このころまでには足がやばいことになりつつあった。つくのは問題ないが、引くのがべらぼうにきつい。ここで早めに引く量を減らせば良かったかもしれないが、意地で引く。結果、その後つくのも難しくなった。かなり暑くて汗が吹き出る。塩分が目に入って痛い。鼻水ひどい。古居の鼻水もっとひどい。芸術的。しかも後で聞くとバーが緩んで3Dスティックだったらしい。ケイデンスが一人めちゃめちゃ低くて気持ち悪い。石川さんがくるくる回してるのと好対照。

地獄の8,9周目、さすがに前に出た瞬間に変わるようになる。完全に脳機能に支障をきたしはじめた。油断すると深い呼吸を忘れる。なぜかヘシアン!正定値行列!とか意味の分からんことが頭をよぎる。線形代数に深層心理でトラウマを抱えているのかもしれない(大いにありうることだ)。腰がきつくてバーをもつのがつらい。この時点で東さんと石川さんがひく量がまだそれほど増えていなかったのは、今考えると問題か。9周目で最後まで生き残れないことを悟る。かっこよく最後に長く引いて切れよう!早稲田がスピードを増している。あの3人は強い。

10周目最初、残る力を全て振り絞って最後に引く。全然長く引けなかった。4人!と叫んで仕事を終える。ふくらはぎがつりかけている。大腿四頭筋も、ハムストリングスも死滅した。全ての力をチームに託した。東さんと石川さんが元気だから最後までスピードを落とさないでいってくれるだろう。

ちょっと行くと古居が死んで止まっていた。やつもやり遂げたらしい。二人でお互いにいい仕事をしたささやかな誇りで、胸を満たしつつ、とぼとぼとフィニッシュ地点まで。3位だった。去年より悪いけど、やりきったから素直に嬉しい。

柿木先生、岩崎さん、監督、サポートありがとうございました。選手でなかったみんな、立哨、実際のサポートなど本当にありがとうございました。明日は暴れよう!