UTokyo bicycle racing team

冬のクリテリウム、チームロード、新人戦を控え一貫してスピード練を継続してきたもののこの日程でヒルクライムが挟まっていた。正直登りの練習はできてないが、シッティングで重いギアを踏むなど登りをイメージしたトレーニングは多少したつもりだ。 練習も兼ねて自走で行くことになってしまった。去年のタイム更新は絶望的にはなったが西薗を倒す目標に変わりはない。条件は同じだ。
是政に一旦集まってからゆっくり行くはずが集合まで時間が押していて脚を使ってしまう。ってのは言い訳で、アップダウン豊富な道志道を武装した集団でゆっくり走ることなど不可能に近い。脚のハリ具合にスバルに登ることに嫌気が差してくる。しかしながらスローな集団で脚を貯めに貯めて最後の超級山岳で単独スパートしたという設定が考えられる、ということで肯定的に。。いざ着くと、同じようなイベントで自転車事故があり例年の料金所からのスタートが禁止されて本年は3キロ先の駐車場から。19.7?、980upに短縮。この時点で120?。
さぁ始まってしまった。どうする?行くしかない!! 登りがひさびさだし距離も縮まったので感覚を掴むまでとりあえず踏む。それでも30秒前スタートの今井さんとの距離はなかなか縮まらないがあせらず踏む。 どうせ脚はないので心拍を上がるだけ上げておく。今井さんを抜かし西薗との一騎打ち。敵が見えないのがTTの妙。
前半戦で脚と気力と気合いをすっかり使い切っていた。左のふくらはぎが攣りかけている。ハンドルを引きすぎてブラケットを握る腕も痺れて力が入らない。残り10?の看板を目撃し、あと半分残っている事実に気付いた時、すべてを放り投げそうになった。
体力の限界を悟りペースを落とした。上ハンドルを握ると右腕に一気に血液が放流された。足先は依然として痺れる。アベレージは20を超えている。もう十分だ。残りは守りの走りをすればいいじゃないか。ということは肺はいくらでも楽をできる。前向きに開き直る。
しかしタレるタレる。さらにタレる。そういえばタイムトライアルは終盤手前に限界を迎え粘りつつ最後ちょいタレくらいでちょうどよいのだ。実のところ適正なペース配分なんだ、ということでこれまた究極の開き直り。
と、残り6?の看板が見えたあたりだっただろうか、まったく予期せぬ事態が発生する。
有田にスパーっと抜かされた、至極快調に!!
しかし、彼は抜かすときだけやたらペースアップしているだけなんだという仮説が自分の大脳の120%を占めた。少なくとも自分の敵になるわけではないと考えていた。
ところがどっこい、ちっともタレないじゃないか!?その背中はあっという間に遠ざかり、そして視界から消えた。次第にそのような他人のことに気を向ける余裕もなくなり、ただどん底にペースが落ちることだけは回避してレースが終ることに唯一の救いを求めて走り続けた。
最終盤。きつい駐車場坂はもはや時速13キロに低下。有田のケツがかすかに確認できるがすぐまた消えた。1?のフラット部ももはや踏むことができず、最後の試練へ。もう無理。。決死のダンシング!ヘナヘナ。。も、もうやめてくれ〜助けてくれ〜…
終った。崩れた。
西薗に勝ったと告げられた。連覇か。ん、6秒差?何が?よく聞こえん。言語を処理できん。もうどうでもよかった。終ったことがすべてだった。
優勝は有田。6秒差だった。現実だった。全自走VSサラ脚、でもやっぱり悔しい。だがそれは部を支え続けた前主将が自らの力で勝ち取ったものだった。抜き去って行ったときのあの強さには完敗だった。
来年の絶対のリベンジを誓ったことは言うまでもない。
【反省】
・タレた原因はハンガーではなく単に脚がなくなったためだった。全自走で挑むことは二度とないと思うので始めから飛ばす方針に誤りはないはず。
・ヘタにダンシングなどして攣るのが怖くて、あるいは築いた疲労と回復の平衡状態から逸脱し同じレベルに復帰できなくなるのが怖くてフォームが凝り固まってしまう。すなわち、ブラケット握りの後ろ乗りシッティングだ。プロの山岳TTを見ても勾配に合わせて立ったり座ったりしているので負担を分散させる+きつい部分の疲労解除の両面でもっといろいろなフォームで走るべきだった。
・最近は西薗が強すぎるので負けてたまるかというモチベーションに欠くことは当分ないと思われる。自分の場合は純粋に自転車に乗るのが好きだという動機が先にあって競技はそれに刺激を加えて3倍楽しませてくれるようなものだ。この頃走れる時間はとても貴重だと感じるようになったのでレースはもちろん練習でもチャリ通で調子を合わせて臨むようになった。貴重だと思えれば毎回目標を持って集中するなど強くなる工夫は自然と考えられると思う。
【補正】
料金所〜2.8?〜スタート〜19.7?〜ゴールとのこと。料金所から今回のスタート地点まで若干勾配がきついので2.8?×1.1=3.08?を19.7?に加えてアベレージが変わらないとすると63分×1.156=72.8分。前回より約5分遅い模様。
最後になりましたが、幹事の丹羽さんはじめサポートの方々、レース&BBQに集中できる環境を準備してくださりありがとうございました。