UTokyo bicycle racing team

2006インカレロードのレポート(細川大雅:医院2)

いよいよ、この日がやってきました。インカレロードは自転車部員にとって年間で最も重要なレースの1つ。今回は修善寺の日本CSCを24周120km。修善寺を24周というのは走ったことのない距離だが、関東人にとってはホームコースとも言える、走り慣れたコース。1周の距離の短さからラップされるリスクの高いコースだが、今年こそ完走を目指して走るのみ。ちなみに、インカレ初出場の去年は補給の際に前車と接触したため、集団から後れ、おろされたという苦い経験がある。
インカレ挑戦2年目の今年は、個人TTで得たシード権で本選出場が確定しているため、予選には出られず。結局、個人ロード予選(予選通過するも本選は学会発表で出られず)以来、4か月ぶりのロードレース参戦となった。
練習は基本的にいつもの朝晩のローラー台+朝練のみ。夏の日中は暑いので、涼しさを求めてあざみラインで富士山に登ったりしていた。当然仕事があり、直前は4泊5日の連続100時間勤務。焦っても仕方がないので、休息と割り切る。
そして、いよいよ当日。前日からの熱、嘔吐、下痢のため、同じくインカレ出場を予定していた妻と娘は自宅で静養。僕は前日で仕事を終え、当日の早朝、一人で修善寺入りする。さすがに直前入りは慌ただしく、ウォーミングアップに身が入らない。今年は去年の反省から、できるだけ途中で補給をしなくてすむよう、500mlボトル2本、パワージェル、パワーバー、羊羹、いろいろな固形おやつなどを積んでいく。
今回は2回目の挑戦かつ慣れたコースということもあり、それほど緊張せずスタート。200人以上の出走とあって、集団は大きく走りにくい。選手がこぼれていって集団が小さくなり、走りやすくなるのを待つしかない。密集した中、何度も隣の選手と接触する。自分の前輪が前車の後輪とはすることも何度もあるが、慌てさえしなければ意外と落車することはない。だが、他選手の落車のため、立ち止まらざるを得なくなることもあり、とにかく集団の前方に位置することを心がける。
インカレだけあって、通常のレースとは違う緊迫感がある。スタート直後から鹿屋体育大の選手らが抜け出していくのを見送る。「逃がせ、逃がせ!」と集団前方で声が上がり、集団はコントロール下に。おかげで集団は一定ペースになり、楽ができると息をつく。
アップが不十分で最初から飛ばされるときつい。とはいっても、ラップタイムは8分台半ばと意外と速い。下りではブレーキをかけなければならないくらいだが、どうやら集団は上りが速いらしく、秀峰亭前の坂が結構脚に来る。それでも、逃げと集団との間は1分、2分、3分と着実に開いていく。
逃げの速さに驚くと共に、もう一回集団の中で動きがあるだろうと、なるべく前に出る。だが、先頭近くに出てみると、手で押しのけられたり(横に流されるだけで落車の心配はない)と、コントロールの厳しさを身をもって感じる。仕方なく、少し後ろに下がる。
新藤さんがいつも前方の良い位置に着けているのが見える。他に東大ジャージは目に入らないが、後ろにいるのだろうか。後ろを振り返る余裕がない。
そうしているうちに補給が始まる。僕は上りの度に集団前方から落ちてきた順位を取り戻すために、補給は全てパス。応援の1年生が途中で必要なものをきいてくれたりと、態勢は整っていたが、残念ながら利用する機会はなし。幸い、最高気温は30℃前後と真夏ほどではないので、1時間に500ml弱の水分で間に合う。
固形物もホームストレート前と決めて毎周摂取する。それでもペースを維持するのがきつい。あろうことか、上りの度に遅れていく。苦手な下りは練習したためか、それほど遅れることはない(最高速は76キロ)。
気づくといつのまにか集団は小さくなっており、自分が最後尾であることを知る。まだ、周回数は約半分を消化したのみ。ここで集団から切れたら絶対に完走は無理だ、と思うも、身体的にも精神的にもついていかない。いつのまにかコース沿いに増えた東大ジャージ(ここでようやく他のメンバーが既にリタイアしていることを知る)の応援を受ける。(どうせなら、集団からのタイム差を教えてもらえると助かります)それに加え、ヴィテスのジャージの人から「東大がんばれー」の声援を受ける。どうして学連のレースに?と思っていたら、どうやら市川雅敏さん(日大OB)がいらしていたらしい。
その後、結局集団から切れ、諦め半分で走っていると、後ろから高木さんが合流。心強い。だが、しばらくして先頭から6分遅れの時点でおろされてしまい、14周で僕のインカレロードは終了した。
新藤さんが18周まで頑張っていたのが印象的だった。最終的には完走はわずか21人。入賞ポイントがつくのが20人。完走≒入賞の何とも厳しいレースだった。
結果は、アシストを使って逃げ続けた鹿屋体育大の完璧な逃げ切り勝利。東大も最大限の8人が出場するようになったが、いつかはチームプレーができるようになるだろうか。今回の敗因は、特に大きなミスもなく、純粋な力不足だった。朝練で重視していた、上りのインターバル練習をさらにする必要を感じた。来年こそ、インカレロードを完走したい。(管理人が転載)